特定積層型 - レビュー -

2011年6月16日木曜日

お仕事

ダイアライザの膜種を増やすということで採用した
HOSPALのH12(販売:Gambro)
早速、患者さんに使ってみることに・・・

先日、メーカーさんがハンドリング講習会と称して、
プライミングと開始時手順の技術指導をしていってくれた

オレなんか、この業界に長く居座っている割には、
未だ知らないこと、未経験なことがまだまだ多い "<(ー_ー;)イヤァ、、
部下くんの前で格好付けても仕方ないので、
ここは素直にメーカーさんにお願いして教えを乞うた



まずはプライミング
ホローファイバー型(中空糸型・HFK)と比べて何が違うかというと、
包装状態では血液側の膜同士がくっついていて、
そこへ急速に生食を流すと、過度に圧がかかるため、
ダイアライザがある程度充填されるまでゆっくり流す
(メーカーさん曰く80ml/minだそうです?)ことと、
圧を逃がすために透析液側のキャップを外しておくこと
これを忘れると、キャップが吹っ飛ぶのはもちろんのこと、
HFKと違いポッティング(接着)剤を使用せず、
膜を支持板で挟んで固定しているため
そこから膜が外れてリークの原因になる可能性が無きにしも非ず・・・


一時といえども、透析液側のキャップを外して
大気開放にするのは、些か気が引ける
フィルター付のキャップとか作ってくれればよいのに・・・

ダイアライザが生食で満たったら高流速で流してもOKだが、
なんぼ速く流そうが、とにかくエア抜けが悪い
この形状だから流束ムラがあることは容易に予測できたが、
血液入口側に溜まった気泡がまったく動かない


メーカーさんも最初は「何もしなくても大丈夫」と豪語していたくせに、
「今まであまり気にしたことなかった」と言い訳
挙句「A側の回路を鉗子で開閉して圧をかけてみよう」ということに・・・
それでも多少は残る
何をしてもこの微小の気泡は抜けないので、
やむを得ずこのままガスパージ→透析開始


他の施設さんで使われている方はどうされていますか?
良い方法をご教示くだされ <(_ _)>ヨロシクデス

ガスパージの際は血液ポンプ停止
以前、血液側出入口に鉗子をかけるようなことを耳にしたことがあったが、
メーカーさんが「不要!」というのでそのままやってみる

次に透析開始
脱血の開始の際、プライミング同様、
ダイアライザに血液が満たされるくらいまで低流量で行う
ガスパージ(透析液充填)で透析液側が陽圧になるため、
また、血液側の膜同士がくっつくんだそうな
脱血が進むと、透析液側に圧がかかるため、そのままだと警報が鳴りまくる
予め「患者大気開放」にし、透析液側の圧を逃しながら脱血する
(日機装社製透析装置DCS-27/73以降の場合)

あとは通常どおり透析開始
返血もいつもどおりでOKということで無事終了
返血に使う生食量がHFKより多くなるとのことだったが、
実際には血液充填量の多い大膜面積のHFKと同程度くらい

プライミング時に残っていた血液入口側の気泡は、
結局、最後まで脱気できず
返血後、その部分が微妙に凝血していたが問題にならない程度

やはり前評判どおり面倒くさい
これで患者さんに良い効果が期待できなさそうなら、
即、採用取り消しとします